2013年11月30日土曜日

そして完成

今回の不幸な出来事は全体の2/3ほど、約12mmほど切削した時点で起こりました。
思うに今回の制作物は単純なツールパスで6mmのエンドミルで深さ10mm以上掘ると起こりかねないのではと。

そこでまた前のような騒ぎは嫌なので、面対称な物体な利点を活かして、
裏返して切削を再開しました。

さてその頃、色々失敗して散々な目にあったことをtwitterで吐露してたら
会社の先輩からアドバイスが。

切削油は絶対必要

あそうでしたか・・・。

それ以降は水溶性切削油をチロチロとかけながら切削するようにしましたが
刃の持ちがよくなった気がします。

 さてその後は順調に切削は進み見事目的の形状は作成できました。
まだバリついてるけど一応完成













次はスリ割りです。
ジグソーでやろうかとも思いましたが、NCで3mmのエンドミルを付けて
ちょっとずつ切り込みを入れていきました。



次はタップでネジ切りです。
こーゆーのは経験がモノをいいますよね。

こんなの中学の技術家庭科の時間以来です。
しかもジュラルミン、硬い。

汗をポタポタ垂らしながら体重をかけてネジを切っていきます。

最初は全然噛まなくて無駄に穴を広げてしまって焦ったのですが、半分くらいやった所でやっと噛んでネジ切りできました。

最初にやった噛まない部分を含むスリ割りより上半分はあとでドリルでバカ穴にします。








さて、↑の写真で分かりますが切削面、汚いですよね。
荒削り一本でいったのでこんな感じになってしまいました・・・。




















そんなこんなで、何とか、何とか完成しました。
左上に見える線は送りを失敗してキズ付けてしまった線です。

そして、オリャーっとハメることが出来たのです。





2013年9月19日木曜日

右手系と左手系

右手系と左手系というのは座標系の話です。

すごく端的にいうと、両手でフレミングの法則の時の手の形をします。
親指がX軸、人差し指がY軸、中指がZ軸です。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b2/3D_Cartesian_Coodinate_Handedness.jpg
wikipedia.org より













当たり前ですが、Z軸の方向が右手と左手で逆なんですよ。

なので、右手系と左手系の間でデータのやりとりをすると残念なことがしばしば起こります。

今回切削したトップブリッジは面対称だったので、右手系左手系を意識することなく
切削できました。が、今後のことを考えると無駄に脳内左右変換の煩雑さや
ワケの分からない座標系由来の不都合の根は早々に断ち切った方が良いでしょう。

ということで、座標系は一貫して右手か左手に統一した方が精神衛生上良いと思うのです。

さて、ではどちらに統一すべきかというと右手系です。
なぜなら中華CNC以外、扱ったソフトウェア全てが右手系だったからです。

ちなみに蛇足な話ですが、私はDirectXから入った人間なので珍しい左手系信者です。
しかし、ほとんどのエンジニアは数学やOpenGLで用いられている右手系を好んで使います。


ということで、ババっと座標系を変えてしまいます。
一番簡単なのは物理的にX軸のステッピングモーターのコネクタとY軸のと交換して
しまうことですが、今回はそうせず Mach3のportのセッティングを変えることにしました。



X AxisのportとY Axisのportのpinを入れ替えました。
これだけ。

これでまた精神衛生上よろしく切削ができるものと思います。

金属の切削と失敗(2)

ちょっと目を離したスキにCNCが止まってしまっていました。
原因は↓の現象が起こってロックしてしまったため。
















6mmの太いエンドミルを使っていたため、エンドミルは折れずにダメージはモーターに
かかってしまいました。
結果モーターの軸が曲がってしまいました。

モーターは早速中国に発注しました。
すぐに使いたかったので早く着くfedex指定です。

モーターが引っかかって停止してしまったため、大電流がコントローラに流れて
ヒューズも焼き切れていたので、交換しました。
不都合はまだ続きます。
スピンドルモーターのスピードコントロールが出来なくなってしまいました。
電流の影響と思われます。

幸運なことにスピンドル周りの回路は複雑ではありません。
オペアンプと555タイマ、パワーMOSFETがあるので
PWM制御でスピードコントロールしてんのかな?って感じでしょうか。













テスターを当てて原因を探っていくと、パワーMOSFETが焼き切れてというのが原因の最有力候補に。
とりあえず、交換してみることにしました。
IRF630というMOSFETで、日本だとRSオンラインにだけ!在庫がありました。
とりあえずポチって













交換。
で、電源をONにすると、スピードコントロールが動きました。
イヤッホー!こういう時は気持ちいいですよね。

モーターもあわせて交換します。
これでやっと切削を再開できるようになりました。

2013年9月17日火曜日

金属の切削と失敗(1)

とりあえず木で目標物を切削してみました。















上出来!
ちゃんとハマることは確認できました。

それはということで本番の15mm厚のA2014ジュラルミンを削り始めます。
















ゴリゴリゴリゴリ。
6mmの2枚歯エンドミルで削っております。

この頃までは良好に削れておりました。
切削速度は遅めに設定し慎重に切削を進めていきます。
しかし、ガキッガキッという音や、切削面の粗さが不穏な幸先を暗示しているようでした。ま、今考えればですが。当時はイケると思ってました。
そんなとき失敗するのですよね、次に続きます。


2013年8月17日土曜日

g-simpleでGコード生成 -生成と確認



首尾よくデータが揃ったらついにGコードの生成です。
ツールバーのGコードボタンをポチります。
上手く行けば切削時間が示されたダイアログが表示されます。

行かない場合は、切削ツールがその材質をサポートしているかや、
荒削り等や仕上げ削り用のエンドミルがちゃんと設定されているか確認してみてください。

 さて、生成されたGコードはg-simple上で確認できます。
ツールバーの一番右の緑丸のボタンを押すと、どう切削されるかのツールパスが表示されます。


さてさて、私がデータを作っている時に、謎の現象に出くわしました。
















 黄色い線はツールパスです。問題はココと書いてある扇状の部分です。
これは予期しないパスでした。
原因から言うと、半径NmmのRを半径Nmmのエンドミルで削ろうとした場合に現れる現象でした。
半径NのRなら半径Nのエンドミルで削れるハズです。
しかしg-simpleでは残念ながらそれは出来ないようなのです。

結局切削のRをほんの少し足すとこの謎の現象は収まりました。

なんか面倒くさい一件でしたが、フリーソフトを使う上の宿命とでも思って乗り越えないと
だめなんですよね。



さてさて、納得行く ツールパスが得られれば次は切削!といきたいところですが、
とりあえずどう削れるかは可視化しておきたいところです。
 そこで切削データから仮想のソリッドを削って成果物の形状を確認するシミュレータに食わせることにします。
有償のCAMではココらへんをシミュレートしてくれるモノは多いんですが フリーソフト界隈では
あんましそういうのが出回ってないんですよね。

さてそんな中今回使ったのは、フリーソフトのNCSim というツールです。
こいつに食わせると大体の出来上がりが想像できますので大変重宝します。


そこらへんでだいたい確認を終えれば次は最終工程の切削に移ります。